■LOHASカタリストとして 
												 
												講談社から「LOHASに関する本を書きませんか?」というお話を頂戴したのは、2005年の夏の終わり頃だったと思います。思わず「はい」と返事をしてからが、さぁ、大変。 
													 
														書きたいこと、伝えたいことは山のようにあるのに、言葉では伝えきれないLOHASの難しさ。おまけに11月にはアメリカで行なわれるLOHAS関連の会議やBOULDERへの出張が続き、果たして本当に書き上げることができるのか、と不安な時もありました。 
													 
														LOHASの根本にある考え方が、ニューエイジやヒッピーと呼ばれる人たちから生まれ、外の世界にこれだけ広まったのは、インターネットという情報発信装置があったからだと言われています。私のLOHAS本執筆も、インターネットがあって、世界のどこにいても、瞬時に情報を伝えられたからこそ実現したと言っても過言ではありません。 
													 
														そのような文明の利器の恩恵に授かれたことに感謝しつつ、だからこそ地球そのものへの慈しみと感謝を抱けるような本にしたいという想いで執筆にあたりました。 
													 
														ご紹介している実例の数々。言葉足らずで説明が不十分なところもあるかもしれません。 
														読者の方があたってみたら、違う印象をうけるかもしれません。でもLOHASで重要な概念、思い遣りであったり、誠実性を貫くことであったり、自分から働きかけようというポジティブマインドであったり、そういう考え方があったなら、新しい捉え方、気付きが生まれるのではないでしょうか。そこに芽生えた新しい気付きを、自分のLOHASとして大切に育てて頂きたいと思います。そのお手伝いができる一冊となったら、とっても幸せです。 
													 
														HAPPINESSと、ALTERNATIVEとSERENDIPITYを感じるLOHAS。そんな考えでこれからもLOHASを実践していこうと思います。(カタリスト:catalystとしてLOHAS的反応を促進させる働きをする×LOHASをカタル人、目指しています) 
													 
														(プロフィール) 
														慶應義塾大学法学部法律学科卒業後 、エネルギー会社を経て、現在松下政経塾に在塾中。得意の英語力とフットワークで国内外のLOHAS最新情報を日々リサーチするとともに、自ら実践している。地球温暖化対策を主とした環境・経済・社会問題の研究をする傍ら、LOHASの研究・普及活動に従事。 
													 
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													■「ムリ・ムラ・ムダ」をなくしてシンプルに楽しむ 
													 
													本の発行が決まってから約2ヵ月で取材、執筆を終えました。とてもハードなスケジュールだったのですが、もともと「環境」や「健康」、「食と農」といったテーマで仕事を進めてきたので、取材先も以前からお付き合いのある方々を多く取り上げることができ、比較的スムースでした。改めて皆さんのお話をうかがい文章にまとめてみると、そこには今まで見えなかった、さまざまな共通点が浮かび上がってくるのが本当におもしろかった。それは、一生懸命、掃除をしていたり、気持ちの良いコミュニケーションに努めたり、さらには積極的に社会活動を推進するなど、事業以外の部分でもLOHASを志した姿勢です。 
														 
														あたりまえのことをまずはきっちりと行って、日々精進。LOHASはこれに尽きると実感!! 
														 
														第2章の30の方法を取りまとめるにあたっては、こうした共通点をできるだけ強調したつもりです。また95名の方々にうかがった第4章は、土壇場のジャストアイディアだったのですが、本当に参考になりました。LOHASにはさまざまな選択肢があり、まずは自分自身の人生や生活に対する哲学を定め、これを実践することがとても重要なのだと思います。 
												今後は、LOHASにおける自己開発、代替医療、食などを中心テーマにさらなる調査を行い、新しい豊かな暮らし方について提案をしてみたいと思っています。生活も仕事も等価に考えながら、どちらも「ムリ・ムラ・ムダ」をなくしてシンプルに楽しむこと。これがLOHASの基本ですね! 
													 
													(プロフィール) 
													1959年生まれ。東京農業大学農学部林学科(現森林科学学科)卒業。 
													大学卒業1年後に廣済堂出版より「科学なるほど読本」を出版。以後、プランナーとして「食と農」「環境と健康」「市民参加型まちづくり」をテーマに各種プロジェクトに参画。環境や健康に関わる博覧会、博物館、文化施設の展示、商業施設開発などを多数担当。(株)藤崎事務所の代表取締役。NPOローハスクラブのスーパーバイザー | 
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													■You can make a difference 
														世の中を変えるのは私たち一人ひとり 
													 
													毎日私たちがしている“買い物”が会社や社会を変える。今から16年前の1990年『より良い社会のためのお買い物』(shopping for a better world)という本が教えてくれました。次に出会ったボディショップ。1993年から7年間、日本のボディショップで環境保護、人権擁護、動物実験反対といったテーマでグローバルキャンペーンを実践。生活者や企業も社会の変革を担うことができる、世の中を良い方向に変えることができると確信するようになりました。 
														 
														2001年、イースクエアで社外取締役ビル・シャーマンさんから「カルチュアル・クリエイティブ」や「LOHAS会議」のことを聞きました。新しい層が台頭している、その人たちは自分の健康から持続可能な社会の実現までを志向する。またその人たちを対象にしたビジネスが増え、支持を集めていると。さっそく翌年、第6回LOHAS会議に参加。その年初めて報告された米国におけるLOHAS層の調査結果や、GAIAM、ホールフーズなど成功している数々のLOHAS企業の経営者の話。そのいずれもが大きな感銘とインスピレーションを与えてくれるものでした。そして、その模様を2002年9月に「日経新聞」や「日経エコロジー」に寄稿。日本で初めてLOHASを紹介したレポートとなりました。 
														 
														昨年9月にNPOローハスクラブの藤崎健吉さん、くにたかおるさん、そして講談社ビジネス出版部の編集者依田則子さんとの出会いがありました。LOHASを、新しいマーケティング、新しいビジネスモデルの可能性を秘めたコンセプトという観点から、国内の事例をケースとして読み解いてみようと、この本の執筆が始まったのでした。 
														 
														(プロフィール) 
														消費生活アドバイザー・環境カウンセラー。学習院大学哲学科卒。東急総合研究所、ボディショップ、イースクエアなど企業でマーケティング、コミュニケーション業務に20数年間携わる。2002年8月に日本で初めてLOHASに関する記 事を「日経新聞」等に寄稿。講演会、セミナー、執筆等を通じて、LOHASの普及活動に情熱を注いでいる。 
														WEBサイト【LOHASのすすめ】 
														
														http://www.owadajunko.com/ 
														 
													 
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