NPOローハスクラブ

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グリーン都市計画

グリーン都市計画とは、地球環境への負荷をできるだけ少なく、使う人に優しく、建築・都市計画を進めていくことがグリーン都市計画です。

その一例として、米国コロラド州の旧デンバー空港跡地、開発コンセプトは「サスティナブル・コミュニティ」をご紹介します。

グリーン都市計画の一例

Stapleton(ステイプルトン再開発地域)の概要
1995年世界最大規模の全天候型デンバー国際空港を開業した。旧デンバー空港跡地4700エーカー(約1880h=東京ドーム約1450個分)を将来計画居住人口3万人、就労者数3万5千人の街 Stapleton ( staple:王が物品購入の独占権を与えた輸出商人の本拠地。Ton=town:村 villageでなくcityと同等の街を意味しているのか?)を整備中である。

白枠の中が ステイプルトン 再開発地域

再開発後のビジネス地域

第1セクターは旧空港地の所有者米国及びコロラド州、次に空港とデンバー郡の第2セクター、第3は第2セクターから委託を受けた再開発計画コンサルタントチーム(プロポーザルコンペ)、第4が地元市民や各種団体代表等、そして第5セクターはこれもプロポーザルコンペによるが、地元住民等の推薦によるデベロッパーであり宅地販売等ジョイントベンチャー企業群が、今やビジターセンターを開設して事業の最終段階に入っている。

再開発前の様子

再開発後の現在

当時の管制塔は、現在も記念に残されている

 

 

ステイプルトンの街づくりビジョン

Stapletonの開発コンセプトは「サスティナブル・コミュニティ」を掲げ、居住地から商店街、公共施設、学校等まで全てを自転車で移動できる距離に設計・配置してある。

また、このコンセプトを受けて、「新しい世代のための新しい隣近所空間の創造」を具現化しようとしている。しかも既存の地域資源や周辺住宅区域との共生や連帯を考慮して、広大な敷地の池やクリーク、グリーンベルトを連続させた配置で一体感を巧みに演出している。

計画時点から地元住民の参加システム効果もあって、わが国の多くの事例にあるデベロッパーと建売住宅購入者との関係では実現し得ない、この街の特徴が見えてくる。 まず、土地(旧空港)の跡地利用をテーマとした開発であるだけに、LEED(Leadership in Energy and Environmental Design…建築物の性能と持続可能性を査定する制度)認証された個人住宅の数がアメリカ開発プロジェクトでは最大を目指している。

またランドスケーピングにおいても、植栽その他資材は地場産を採用することでメンテナンス頻度や管理用水量の節約し、デンバー市のグレーウオーター(非飲料水)のランドスケープ利用システムを開発中などコンセプトの実現に向けたステップを進行中である。 ともかく住民が真剣に街づくりに取り組み、街中に人間を心地良くするための野生動物生息地まで配置する環境をあらかじめ用意するなど、わが国と比較してまさにコンセプチャアルといえる。

羨ましい限りの広大な土地とゆったりとした時間の街づくり
計画では住宅、商店、各種学校、オフイス、公園等が見渡す限りの盆地平原に配置されている。住宅は緩やかなアンジュレーションと高木の疎らな牧草地に、100万ドルから10万ドルクラスまでの戸建住宅、低層コンドミニアム、日本では長屋と言われるタウンハウス等が、概ね街路樹と舗道をセットになった表道路と各戸駐車場やバックヤードエリアに直結する裏道で構成する中ノ島状エリアに建てられている。この2本の道路配置により路上駐車禁止に効果を発揮するらしい。

どこをとっても同じエリアには同じ外装デザインはない。日本の建売住宅のように酔って帰ると自宅がわかり難くいことで生じる悲劇はなさそうである。

戸建住宅地は価格帯でおよそ3クラスに大別し、同クラスを集合させながら、3クラスを土地の広さを活かして配置し、わが国の町内会に似た大きなブロックを形成している。ここでは住民が自宅の前の街路樹、植栽、舗道の美化管理は其々の自己分担になっており、それを「Tree Lined streets」という。

日本では街路樹の落葉被害等を道路管理者に訴えるケースがよくあるが、かって隣同士で家の前を掃除し合うことで、向う三軒両隣の良好な関係を構築していた時代があった。まさに今、Stapletonではその「向う三軒両隣関係」をセールスプロモーションのヘッドコピーとしている。

これからの街づくり課題
Stapletonのターゲットはデンバー都市圏人口約250万人である。デンバーはコロラド州(約455万人=全米第22位)の州都であるが、古くは1962年から1965年まで頻発した「デンバー地震」や1976年冬季オリンピックの住民反対運動による「開催権返上」、1999年コロンバイン高校「銃乱射事件」で話題になった。わが国との直接の馴染みは少ないがなんとも暗い情報が優先しているのが気に掛かる。

この都市圏の人種的構成は白人65.30%でアフリカン・アメリカン11.12%その他が先住民、アジア、ヒスパニックまたはラテン系である。また、一人当たりの収入は24101米ドルで、人口の14.3%及び家族の10.6%は貧困線以下であるとのことである。 このことは一般的にStapleton の街づくりに大きく影響すると、さらに、昨今のサブプライムローン(sub prime lending)関連金融商品の劣化をきっかけとした信用力の低下、世界資本市場への影響などがStapletonの宅地販売を抑制し、まちづくりを大幅に遅れさせるのではないかと懸念される。




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