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ニューヨーカーの圧倒的な支持を得たホールフーズマーケット

その戦略とニューヨーカーの食事情を探る

25年間で食品スーパーマーケットとして4700億円の売上げを達成、LOHAS志向のスーパーとして圧倒的な消費者の支持を受けているWhole Foods Market 。 念願のニューヨークに進出し、ここでも厳しい競争の中、ニューヨーカーにすっかりとけ込み、ニューヨーカーのライフスタイルを変える勢いである。
その成長の数字を見てみよう。売上げ高47億ドル(約4700億円)店舗数180店舗、従業員4万人、成長率前年比平均20%、フォーチュン500中478位、全米小売業ランキング60位、平均店舗面積5000平米、自然食品店では売上げ高全米1位、おそらく世界1かも知れない。
テキサス州オースチン市にちょうど25年前に誕生したWhole Foods Market(WHM)の現在の姿である。

WFMの創業は Safer Way Natural Foods のオーナーであったJohn MackeyとRenee LawsonそれにClarksville Natural Grocery のオーナーであったCraig Weller とMark Skilerの4人の人々によって自然食品の発展と、従来の小規模な個人店から自然食品大型店の到来を予測し1980年にスタッフ19人という規模で発足した。

買収と吸収で成長軌道を築く

WFMの成長の歴史は単に売上げを伸ばし、店舗を増やすという戦略ではなく、既存の専門店、自然食マーケットを吸収、合併することで急成長を成し遂げてきた。その第一番目は、南部ニューオルリンズ市で健康増進に寄与する食べ物、いわゆるWholesome Foodsをテーマにして急成長していたWhole Foods社を1988年に買収している。つづいて、1991年には、ノースキャロライナ州ドラハム市のベジタリアンショップWellspring Groceryを買収。
1992年にはマサチューセッツ州のブルックライン市のBread & Circus を、さらに翌年にはウエスト・ロスアンジェルスの自然食店Mrs. Gooch'sを、2年後の05年にはメリーランド州ロックビルに本社をおく、店舗数22店、売上高2億ドルのFresh Fields を買収。Fresh Fieldsはそれ以前の自然食店とは違い、明るい店内と惣菜を豊富に用意した新種のナチュラルストアーとして当時、話題を呼んでいた店でもある。
WFMの買収、吸収戦略はさらに続く。1995年フロリダ州フォートローダデール市に本部を置く、自然食とレストラン店Bread of Lifeを買収。
1997年には、コロラド州ボールダー市のAmrion社を、同年の12月にはデトロイトのワインショップチエーンMerchant of Vino を吸収。グルメコーヒーブームにのって成長していた、ボールダー市のコーヒー専門店のAllegro Coffeeを1997年に翼下に入れている。
Allegroのコーヒーブランド名はその後もWFMに受け継がれ、現在も店内で販売されている。同年にはさらにマサチューセッツ州ベッドフォードのNature's Heartland を買収。2000年代に入ってからは、アトランタの巨大マーケットHarry’s Farmers Market、シアトルのSelect Fish、さらに2004には英国への進出足がかりとして、ロンドン近郊にチエーンを展開するFresh & Wildを買収している。

このように、WFMの成長の歴史は、特色ある自然食品店の買収、吸収によって進められている。さらに、買収企業の共通点を見てみると、創業が新しく、成長の兆しが見えてきた企業をターゲットにしていると言える。自社が発展するには、まづ成長兆しのある企業を早めに買収し、その要素を巧みに取り入れ、自店を強化し競争相手を育てないという戦略がうかがえる。

何よりも、ショッパーの満足度を満たす

だが、WFMの成長の鍵は他社の買収、自然食のブームにのったという、外面による要素だけではない。本当の成長の鍵は企業内部に潜む企業フィロソフィーにある。同社の最も主張しているのは、自然食でもオーガニックでも環境寄与精神でもない。
それは「同店を訪れるショッパーに満足していただくための、努力を怠らない」「成功の成果はお客様の満足度で計られる」「お客様は私たちのビジネスにとって最も大切である」という一連の顧客尊重の考え方にある。これらは、一見どこの社訓にも見られる様なことだが、これらを徹底し現場で実行され、顧客に伝わっている企業は少ない。

顧客満足の鍵を握るチームメンバー
"365"はプライベートブランド

この顧客の満足度を満たしているのが、そこで働く人々のチームメンバーというWFM独自のシステムだ。チームメンバーはそれぞれの部門を背後から援助し、売り場のオペレーションや顧客に満足度を与える役割を果たす影のチーム。WFMがいかに顧客に満足を与える努力をしているかは、実際に店で買い物をすればすぐに経験できる。たとえば、買い物の後レジで会計を済ませると、レジカウンターの端で、プラスチックバッグにしますか、それとも紙袋にしますかと聞かれ商品をバッグに詰めてくれる。フロアーにも豊富にスタッフが多く、探している商品が見つからなければ、その売り場まで案内してくれる。スタッフの誰に話しかけても、実に感じがよく親切だ。スタッフ全員が顧客を満足させる努力が伺える。

資本主義の中でのLOHAS

ここで前途したバッグについて考えてみよう。環境に寄与するというポリシーを掲げている企業がなぜ、プラスチックや紙バッグを利用しているのかと疑問に思うが、バッグはすべてリサイクルマテリアルで再利用されている。消費を減らし、環境に貢献しようという考えは、豊かな生活を目指している現代の消費者には受け入れがたい。それはあたかも、排気ガスを減らすために、車の利用を制限すると言う考えに似ている。排気ガスを減らす手段として、車の利用を制限するより、排気ガスの少ない、あるいは排出しない車の利用を高めるほうが、消費者に支持されやすい。制限より代替、リサイクルを考える、それが資本主義の豊かな消費社会におけるLOHASではないのだろうか。

最新店はNYで初めての総合商業施設の中
コロンブスの彫像が映えるタイムワーナーセンター

マンハッタンの五番街を北に足を進めるとセントラルパークの東コーナーに突き当たる。左手には、プラザホテル、右手には元のゼネラルモーターズの白い高層ビルが目に入る。そこを左に曲がると、右手にセントラルパーク、左手にはホテル街が続く通りセントラルパークサウスである。そして正面遠方には、地上15メートル程のコラムの上に立つコロンブスの像が目に入る。コロンバスサークルである。

このコロンバスサークルは、丁度、セントラルパークの西南端に位置し、ブロードウエイ、8番街、セントラルパークウエスト、東は、通常59丁目と呼ばれる、セントラルパークサウスが交差するNY市内では珍しいロータリーのある場所でもある。
周辺は、どちらかと言うと、住宅地より商業地区に近い。以前この地には、NYのコンベンションセンターがあったが、新たなコンベンションセンターが34丁目に移転したためにできた跡地である。その跡地にコロンバスサークルを囲い込むように建てられた、全面ガラス張りの建物が2004年に完成したメデイア大手のタイムワーナーセンター(TWC) だ。5番街からセントラルパークサウスに入り前方を見るとコロンブスの彫像の側面がガラス張りのTWCを背後にくっきりとそびえたつのが目に入る。

地域環境を反映した建築

この施設が完成するまでには、環境面で市民とTWCの建築主であるAOLタイムワーナー社(TW)(現在は社名からAOLの文字は消えている)との間で、数年に及ぶ検討会が幾度と開かれている。

圧迫感を和らげたツインタワーのデザイン

この地域は商業地ではあるが、この地にどんな建物が建てられ、周囲の環境との調和をどのように保つかは、NY市民の大きな関心事。
TW社では、当然床面積が広く確保できる建築プランを初期に提出したが、プランは一挙に市民の反対にあった。高層で四角な建物によって、地上から空への視界が著しくそぐわれ、環境にふさわしくないというものだ。その後いくつかのプランが提案され、市民とTW社との検討会が開かれた。
2年間に及ぶ検討会の末、周囲の環境に溶け込み、空への視界を最小限に止めた形で決着がついたのが、ツインタワーの間にスペースを設け、空への視界を広め、周辺に圧迫感を与えないガラス張りの現在のデザインに収まった。

NY初の総合施設
1日5千人を運ぶWFMへのエスカレーター

NYには日本の都市に多く見られるような、ショップや飲食施設とオフィスが同居した建物は少ない。マンハッタンには高層オフィスビルは数多くあるが、オフィス使用がその主目的で、ショップや飲食施設を伴っていない。
だが、TWCには50店舗を越す有名小売店、4軒の超有名レストランさらにジャズコンサートホール、CNNのスタジオ、マンダリンオリエンタルホテルと住宅施設のコンドミニアムが入居するNYでは始めての大型、商業住宅施設として話題をよんでいる。
この施設の最大の人気は、なんと言っても、ホールフーズマーケット(WFM)である。1階の正面入口を入り、エスカレーターで地下へ進むと、自然食品ではNY市内最大の床面積をもつWFMの売り場が広がる。

地域住人のライフスタイルを反映した出店
お客を待つCO2排出ゼロの人力車

NY市内には、この他に2店のWFMが出店している。7番街24丁目とさらに南に下った繁華街ユニオンスクエアー南14丁目の大通りに面したユニオンスクエアー店である。
NYの街は狭いながらも、その地域によって異なったライフスタイルをもつ人々が集まっているのも特色だ。
コロンバスサークルの立地は、セントラルパークに面した通りには昔ながらの高所得層が住む。そこから西全体に広がるアッパーウエスト、この辺はどちらかと言うと、ニューファミリー地域。エクササイズと健康自己管理に関心が高い、LOHAS健康管理層が多く生活する。

LOHASナチュラルフード層の多いチェルシー店

24丁目付近はチェルシーと呼ばれファッション関連の人々が多く行き交う地域。ナチュラルな食生活を遂行するLOHASナチュラルフード層が多い。
ユニオンスクエアー付近はNYUも近くにあり学生も多くシンプルなファッションやコスメチック、ベジタリアン食に関心が高いLOHASシンプル生活層。WFMはこれら異なったLOHAS層の特色を掴んだ、地域反映を打ち出した出店ともいえる。

人気は各種惣菜バー

市内の3店舗は地域によってその特色を生かしているが、各店に共通しているのは野菜、果物などのプロデュース、肉を売るブッチャー、魚のフィッシュマーケット、チーズ、生花、自然食品、化粧品、サプリメントなどのコーナーなど、WFMの基本的なコーナーを備えている点だ。だがキーワードはやはりナチュラル、オーガニック、環境優位の品揃え、商品の60パーセント程度はこれらの製品で占められている。

好きなだけ好きなものが選べる惣菜バー

WFMのフロアーで最も集客力があるのは、惣菜売り場であろう。暖かい惣菜を集めた、ホットバー、サラダやなどを集めたサラダバー、スープ各種を揃えたスープバー、デザートを集めたデザートバーなどが揃っている。鳥料理を集めたチキンバー、えび料理を集めたシュリンプバーなどは他では見られない工夫。
その中でも人気は、SUSHIコーナー。パック寿司が各種揃えられ、玄米やオーガニック野菜すしなどは、他では見られないWFM独自の工夫。カウンターで握りが食べられる施設も整って、さながら日本の通称デパチカに似ている。日本の惣菜売り場、デパチカと異なっているのは、セルフサービスで目方売りという点。

品揃えが豊富なデリカウンター

各惣菜売り場にはコンテナーが用意され、好みの惣菜を好みの量だけ入れ、目方で料金が決まるというもの。自分の腹具合いと財布具合でパーソナルなランチパックを作れるのだ。
選んだ惣菜やランチをその場で食べられる施設も設けられ、昼時には、席が見つからない程の盛況。売り場面積では最も広い、コロンバスサークル店には一日に5千から6千人の人が出入りするという。

コロンバスサークル店

不動産価値の低いスペースで広さを確保

米国では、商業スペースとして地下はセカンドクラスに値する。1階の売り場スペースがファーストクラス、2階以上のスペースがセカンドクラスとすると、地下はさらに低い、サードクラスの価値しかないスペースであるかもしれない。米国の都市でも、地下を売り場として利用している施設は数少ない。食品を扱っていない米国のデパートでは地下はバーゲン売場か、駐車場というのが商業施設での大方の利用方法だ。

タイムワーナーセンターからコロンバスサークルをみる。左手がセントラルパーク

地価が米国一高価であるマンハッタンでも、地下に本格的な売り場を設けている施設は数えるほどしか見当たらない。それほど地下は商業スペースとして価値の低い不動産である。
日本語では地下は単に地上の下と言う意味だが、英語の語源はbasementであり建築物の土台という意味で、やはりスペースとしての意味はなかったようだ。
そんな、不動産価値の低いスペースを有利に利用したのがタイムワーナー本社ビルに開店したホールフーズマーケト(WFM)のコロンバスサークル店だ。

マンハッタンには数は少ないが、スーパーマーケトは存在する。だがその面積は狭く郊外型のスーパーに比べ面積は半分以下である。ところがWFMのコロンバスサークル店は地下というスペースを活用し6万平方スクエアー(約5500平方メートル)という広大なスペースを確保している。この広さはWFMの他の平均的な店舗面積から言っても2倍近くの広さで、WFMがいかにコロンバスサークル店に力を注いでいるかが伺われる。

地下への誘導をプライオリティーに
WFMで買ったランチをコロンバスサークルで

商業施設として、地下への客誘導は難題である。1階というプライム面積をより広く確保するために、地下への誘導手段が後回しになりがちだからだ。

WFMコロンバスサークル店の場合、地下への誘導を第一に考慮し、正面入り口近く、フロアーの中央、入口からわずか5mと至らない場所に、売場への専用エスカレータを設置し、2番手になりがちな、地下への誘導をプライオリティとして考えている点がWFMの成功を大きく左右している。
もし、この地下への誘導エスカレータが他の位置であったら、WFMの集客力は大きく低下していたに違いない。

日本の街に少ないのが、生花を売るフラワーショップだ。花を気軽に贈る習慣が少ないためか。タイムワーナーセンター(TWC) の正面入り口からエスカレーターで地下のWFMへ向かうと、最初に迎えてくれるのは、他のスーパーに見られる、ずらり並んだレジではない。エスカレーターを降りるとそこは、季節の花をそろえた生花売り場とインフォメーションデスク。客を迎える意識が伺える。インフォメーションデスクでは、商品、売り場案内はもとより、配達の手配、パーティ用ケータリングから企業案内まで、全ての質問に迅速に回答を出してくれる、すぐれた人材が対応してくれるのもうれしい。

栽培、飼育、産地、漁獲のインフォメーション公開する生鮮
野菜・果物の80%はオーガニックでしめる

店内は大きく4つの売り場構成からなっている。野菜、果物、肉、魚などを揃えた生鮮セクション。ここでは、オーガニック栽培による野菜、果物が多く揃えられている。全てがオーガニック栽培による生鮮ではない。野菜、果物などは80%程がオーガニックだが、オーガニック栽培と通常栽培の野菜は、はっきりと明記されている。
肉は全てではないが、オーガニック飼育による動物肉がその多くを占めている。発育ホルモンや化学肥料飼育による動物からの肉はここでは見られない。

オリーブだけでも10種以上あるオリーブバー

そして魚は養殖も多少あるが、多くは自然海でとれた魚や貝類を揃えている。漁獲された産地だけではなく、漁獲方法なども記されている。自然資源に害する方法や非自然的な方法で漁獲された海産物はここでは売られていない。これら栽培、飼育、漁獲等のインフォメーションが印刷物ではっきりと公開されている企業姿勢が、ホーブス誌でもWFMが、尊敬する企業の順位に挙げられる理由か。

生鮮食品の種類は他の食品スーパーでは見られないほどの豊富な品揃え。新鮮さと豊富さが買い物客を魅了する。

豊富なオーガニックパッケージ食品
商品の60%はナチュラル、オーガニック製品

パッケージ、冷凍、冷蔵、缶、瓶製品を揃えたグロサリーセクションはやはり、ナチュラル、オーガニックの文字が製品のいたるところに見受けられる。パッケージ製品の60%程がそれらの製品で棚を埋める。

オリーブオイルからパスタ、乳製品まで、これほどオーガニック、ナチュラル製品が市場に出回っているのかとその豊富さに驚かさせられる。通常のスーパーに並べられている、すべての商品がオーガニックで入れ替えられた様にも思えるほど。

NY最大面積、ホール・ボデイーショップ

通常の食品スーパーでは見られないのが、サプリメント、健康食品、自然化粧品、美容製品を扱うホール・ボデーショップ。NYでは最大の面積というこの売り場には、ビューティセンターがあり、製品の体験が常時でき、デモンストレーションが催されている。バス、スパ、アロマ療法、指圧などが人気を呼んでいる。

選択が豊富なプリペアドーフード(惣菜) セクション
惣菜売場でも大きな面積を占めるSushiカウンター

店内で最大の面積を費やし、最大の集客力を誇るのが目方売りで、種類が選べる惣菜売り場、プリペアード・フードセクション。朝は、玉子料理、パンケーキなどが揃い、昼前にはベーカリー、ペーストリー、サラダ、パスタ、ピザ、スシを含めたエスニック料理、肉、鳥料理などのセクションが開店する。

どのセクションも売り場の横に備えられたコンテーナに好きな料理を、好みの量をいれ、レジで清算するセルフサービス。肉料理などは、焼きあがった大きな塊を、好みの厚さで、好みの量をスライスしてくれる、さながらホテルのビュフェ風。ピザやスシ、ロースト肉売り場など、サービスが欠かせない売り場には対面販売が導入され、サービス重視の考え方が伺える。
レジを済ました後は、250席の広さのカフェで食べてもいいし、天気の良い日には、アウトドアーでランチを楽しむこともできる。

不公平さを取り除いたレジでの清算

さて、最後は、ショッピングした商品の支払いを済ませるレジである。ここにも、WFMの独自なサービスが生かされている。米国の食品スーパーで不満の多いのは、レジでの待ち時間である。商品の選択を終えさらにレジでの待ちに時間を費やす事は、誰もが不満を示す。

買い物の後、テイクアウトで買ったランチでホッと一息。Photo: courtesy of wirednewyork

WFMには20台ほどのレジ台が設備されているが、ランチ時、退社時さらに週末には混雑するので、レジにどうしても列ができてしまう。
普通は、列の短そうなレジを選び、そこに並んで順番を待つという方法が取られる。だが、これではどうしても不平等が生じやすい。自分の列の前の客が大量の買い物をし、清算に時間がかる時には、別の列に後から並んだ客が早く清算を終えるという、不公平さが生じるからだ。待っている客の苛立ちも高まる。

食事の後は、デザートバーで

このような不公平さと客の苛立ちを除くために、WFMでは列の先頭で、店員が空いたレジ台へと客を誘導するという方法を取っている。
これで、清算がスムーズに済み、客の待ち時間も短縮でき、何よりも不公平さを取り除き、客への満足感も高まる。ショッピングを楽しく経験し、満足感を客に味わってもらうWFMのフィロソフィーがこんなところにも生かされている。

顧客を大切にする社訓はどこにでもある。だが、それを実際に客の立場で経験できる店はそれほど多くはない。WFMのモットーに「我々は、食全体、人類全体そして地球全体を理想とすることであり、それは食品販売店の考え方を遥かに超えるものである」さらに「我々の成功は顧客の満足度によって計られる」と言うことに現れている。

NYのWFMがこれ程までに人気があるのは、従来のスーパーには見られなかったWFM独自のコンセプトにある。ナチュラル、オーガニック、環境優位というキーワードのもとで、新鮮な品揃えを豊富に、見せる売り場作りと、豊富な惣菜、お客本位なサービスの考え方がニューヨーカーに支持されているためだろう。

消費電力を風力発電で…

最後にWFM社は今年の1月に同社が年間消費する全電力(全店舗を含む)45万キロワットをコロラド州ボールダーに本社を置くリニューアブルチョイス・エネルギー社の風力発電でまかなうと発表。(実際には、45万キロの電力料をリニューアブルチョイス社に支払いそれを、従来の発電力と交換するエネルギークレジットという形式)これにより、年間7億ポンドのCO2が減少し、これは6万台の車が排出する量に匹敵するという。


トレンド情報誌の先がけとなった「PRONTO」や「USフードジャーナル」の編集長を務め、現在は健康食品ビジネスコンサルタント会社を運営し、英文の日本の健康食品市場レポートを発刊しているポール山レポートです。

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